2021年のオリエンテーリング界はギアに溢れている
※この記事はオリエンティアAdventCalendar2021の13日目の記事です。
皆様、おはようございます。
2021年も師走になりまして、寒くなってきましたね。筆者はまだこの記事を書き始めた2021/12/3では暖房をつけていません。なんというか布団の暖かさをありがたく思えなくなってしまうような気がして…布団って被ってるだけで暖かいし幸せな気持ちになりますよね。ついついスマホをいじってしまったり、気づいたらそのまま寝落ちしてしまう、そんな休日もあってもいいんじゃないかなと思ったり。
この記事は布団に入りながら寝る前にのんびり読み進めることのできる、内容のかる~いものとなってますので、ぜひとも寝る前とか移動中とか、そんな感じの時に読んでいただければ幸いです。ちなみに見出しと下線部だけで文章は読み飛ばしても良いように書いてます。参考までに。以下目次です。
1.自己紹介とか
年末といえばAdventCalenderの季節ですね。毎年、数々のオリエンティアが面白い記事を投稿し、Twitterなどで話題になり、記事を心待ちにしている方もたくさんおられると思います。僕もその一人でした。しかしながら、11月の冒頭のこと、ついに記事の執筆依頼を受けまして、2021年AdventCalender12/13の記事を担当させていただくこととなりました。
自己紹介遅れました、横浜国立大学3年KOLC所属の羽田拓真と申します。3年生ではありますが、東海中学校・高校よりオリエンテーリングを続けておりまして、今年で8年目(高3時は受験で休止)となります。よくAdventCalenderに投稿している「USBe」こと祖父江君とは同期であり9年来の友人です。オリエンテーリングの成績としては、中高からやっているにもかかわらず、中高大直属の先輩である稲森先輩のような素晴らしい成績は残しておりませんが、関東学連への枠貢献度は出場したインカレの3/4で回収しているので自信があります。一応、ついでですが関東学連幹事長もやっております。オリエンテーリング歴長いから、アウトドア派かと思いきや趣味はPCゲームです。
自己紹介はこのぐらいにしておきましょう。AdventCalenderの執筆依頼を受けて僕が最初に思ったのは、「僕なんかがAdventCalender書いていいんだろうか…」ってことでしたね。去年の北見さんの記事だったり今年の小牧さんの記事 だったり、技術論は僕も大好きで読むたびにアツくなります。しかし、僕は言語化がとても苦手で自分ではだいぶ感覚的にオリエンテーリングをしていると思っているので、人に伝えるなんてことは滅相もできません。というわけで、例年自分の好きなことを語っている人たちがいることを思い出し、僕は今回その路線で行くことにしました。
2.世界はギアで溢れている
見出しの通り、日常世界にはギアで溢れています。オリエンテーリングギアだけじゃございません。履いている靴、着ている服、あらゆるものがあります。僕がギアに目覚めたのは中高時代の通学時間。電車で乗ってくる人がどんな靴を履いているんだろう、と常に目を光らせた結果、今では人を履いている靴や服で認識できるまでに至ってしまいました。さすがにそこまでやるのは気持ち悪いので、やめておいた方がいいかな。しかし、オリエンテーリングの大会会場でふと足元に目をやると、皆が皆違う靴を履いていたり、靴下が個性的な人、レガースを付けてたり、タイツで出走してる人…みたいに足元を見るだけでも十人十色、はたまた百人百色くらいの光景が見られると思います。
僕がこんなにもギアに熱中し始めたのはだいぶ前のことですが、世の中の人がどんなギアでオリエンテーリングをしているんだろうと思ったきっかけは全日本とかインカレです。だって、めっちゃ長い距離とか違うルート、ナビゲーションで走っているにもかかわらず秒差の勝負になったりするんですよ?みんな同じコンパスや靴ってわけでもないから、純粋に技術・走力の差とも限りません。一瞬のコンパスの針の揺らぎが、登りで足を滑らせたその1秒が、レースの結果に影響することもあると思いませんか??もちろんそれがすべてとは言いません。でも、トップ層以外にも多少なりとも影響はあると思います。レース中の急な登り、踏み出した足が滑って空を切り膝をつく。このワンシーンで僕は何度やる気を削がれたか。僕のメンタルが弱いだけかもしれませんが…
と、長々と熱い思いを語ったところで、今回私が行わせていただきましたのは
2021年度版オリエンティアギア調査!!!
でございます。皆様、自分がコンパスやシューズを買うとき、あの選手が履いてたから…、○○さんにおすすめされたから…とかありますよね。じゃあ、世の中のオリエンティア何使ってんねん!!ってことで、今回僕のTwitterアカウントでですね、GoogleFormを使いまして、調査を行いました。ちなみに過去の先人たちによるギア調査関連の記事はこちら。ちなみに僕はGET LOSTブログのファンボです。いつも見てます。
過去の先人たちも今後の予想とかしてたりするので、ぜひ今回の記事と見比べて、「確かに昔は…」とか「今はこんなによく見るあれが…!?」とかも楽しいと思います。
3.みんなどんなギアを使ってるんだろうな…
さて、今回私が行ったのは以下の調査になります。
①コンパスのメーカーとタイプ
最近はコンパスのメーカーたくさんありますよね。僕がオリエンテーリングを始めて2,3年目の頃にはSILVAとMOSCOW COMPASSぐらいしかありませんでした。今では10種類ぐらいかな、たくさんの種類のコンパスが出回るようになってきました。大会会場では、あの人はこのコンパス使ってるんだ~~~とか靴以外にもホクホクです。もちろんコンパスのメーカー以上に気になるのは、コンパスの種類ですよね。一応、オリエンテーリングを始めてそんなに長くない人にもわかりやすいように軽く紹介しておきますと、
- サムコンパス
親指(Thumb)につけるタイプのコンパス。リングは回せるものも多いが、回せない/固定されているものもある。基本的な持ち方をすれば、コンパスが地図よりも手前側に来ることで、地図を見るときにコンパスを同時に確認できるため、コンパスによる正置がしやすい。加えて、だいぶ手が自由。
- プレートコンパス
名前そのままプレートタイプのコンパス。基本的にリングが回せる構造になっている。一般的に言われていることだが、オリエンテーリングの重要な技術である「直進」が(安定)しやすい(らしい)。一方で、手が片方拘束されるため、少し自由度は低め。
- リストコンパス
手首(Wrist)につけるタイプのコンパス。手首に完全に固定するため、手が完全に自由。ただコンパスを用いた直進が全く使えなくなってしまう可能性が高い。しかし、サムコンパス同様地図を見れば必ずコンパスが視界に入る。
こんな感じです。玄人はスルーで大丈夫です。また、羽田の個人的見解が含まれている点はお許しください。速いからと言ってサムコンパスが優秀なわけでもなく、プレートによる直進が大きくレースを左右したり…話していると長くなりそうなので、次の調査項目へと行きましょう。
②フォレストで履いているシューズのメーカー・型番
お察しの通りかと思いますが、「フォレストで」と書いたのは後で「スプリントで」が出てくるからです。
さてさて、オリエンテーリングをするにあたって、皆が何気なく履いているその靴。大事にしてますか?ちゃんとお手入れだったり、レースごとにグリップの状態だったり、アッパーの状態だったり、確認してますか?
皆さんが、何の障害もなくオリエンテーリングを楽しめているのは、シューズのおかげです。オリエンテーリング初めたての頃、ランシューで山に入り「坂が登れなくてつらいよ…」とか「オリエンシューズ買ってランシューとの違いに感動したわ…!」とかありませんでした?
今使っている靴に満足しているなら、同じ型を探すのもよし、新しいものに挑戦するもよし。少しでも不満があるなら、この結果も参考にしつつ周りの人の話を聞いて、新しい靴に挑戦してみましょう。
かつてはInov8がまるで寡占市場かのようにほとんどの人が履いていました。次第にSalomonが増えたかと思えば、筑波大学のスポンサーにダニエル・フブマンと共同開発したSALMINGが参入したりと激動のオリエンシューズ界。近年はNviiだったりVJだったりを輸入販売してくれる方も増えましたね。現在はどうなっているのか結果が気になるところです。
③スプリントで履いているシューズのメーカー・型番
コロナ禍で外出が制限される一方で、日々の運動は推奨されジョギングやランニングを始める方が増えたと思います。オリエンティアは週末のレースに備え、日々走りまくっていることでしょう。陸上界ではここ数年、大きな変化が訪れました。それが厚底ブームですね。かつて薄底のadizeroシリーズがマラソン界を席巻したかと思えば、NIKE社のVapor Flyが駅伝やマラソンで優秀な結果を残し、多くの選手がNIKEを履くようになった結果、他社も負けず劣らず厚底厚底厚底厚底厚底厚底……みんな厚底。ついにはトラック種目ではカーボンやソールの厚さ制限がかかったらしいですね。正直なところ、僕は少しうんざりというか、色んな会社のシューズが似通ってきているところに寂しさを感じているのですが、その話はまた今度。
さて、今回私が調査したのはあくまで「スプリントで履いているシューズ」です。普段は厚底でランニングしているよーって人も、スプリントの時は…ってのもあるんじゃないでしょうか。何しろマラソンとは違い、切り返しが多いの多いの。厚底でスプリントするのは足がひねっちゃいそうで僕は少し怖いです。まぁあくまで個人的意見なので調査の結果を待つこととしましょう。さて、どんなメーカーが、どんな型番が人気なんでしょうか?ちなみに、型番入力をしていただきましたので、羽田のシューズ知識とネット検索で「薄底か厚底かどっちが多数を占めていたか」を発表します。結果にご期待くださいませ。
④あなたのお気に入り/こだわりのギアは?
やっぱり人それぞれ思い出の品とかありますよね。高校卒業の時に友達と交換した…とか大学入学祝にもらった…とか。それってギアにあってもいいと思いませんか?〇〇先輩が卒業するときにもらいました!とか感動の話を聞かせてほしいですね。映画見ても泣かないタイプなんですが、もしかしたら記事執筆中に号泣してるかもしれない。
ほかにもですね、皆さんこだわりのギアとかあると思うんです。これだけはつけないと気合が入らない~~とか。もちろんギアじゃなくても大丈夫。オリエンティアのこだわりを聞かせてください!
4.結果発表と…
結果としましてなんと163件もの回答を頂けました!回答してくれた方ありがとうございます!!僕としては100行けばいい方かなと思っていたので、非常にありがたい限りです。ほんとはインカレ前にアンケートを完成させて、インカレでみんなに広めて入力してもらおうかな~~~なんて考えてたんですけど、時間がありませんでしたね。なお、回答者の分布はこんな感じです。
さてさて、結果を見ていくとしましょうか。
①コンパス
まず使っているメーカーに関するグラフはこんな感じになりました!
意外とMOSCOW COMPASSを使っている方が多いみたいですね。やはり安さと手に入りやすさ、知名度すべてでほかのメーカーと比べてバランスが取れている感じがするので、皆手に取りやすいのかもしれません。知名度で言えばSILVAが強いですが、入手経路が最近まではネットのみであったゆえにあまり伸びていない印象です。手に入りやすさで言えば、最近大会で見かけることの方が少ないSALMINGの人が取り扱っているFRENSONも伸びてきていますね。同時に、ネットショップが主な販売経路であるO-supportさんの取り扱われているStr8も自分の周りを見ても増えているのは感じます。過去の調査と比べると、メーカーの数も大きく増え、その分布も大きく変わったことかと思います。
次にコンパスのタイプを見ていきましょう。
やはりサムコンパスが多くを占めているようですね。大学のサークルとして始めることの多いオリエンテーリングは、先輩を見て学ぶことが多く必然的に大学生でサムコンパスを使っている人が多いため、それを見てサムコンパスを買う人が多かったりするんだと思います。さらに、日本進出を果たしているメーカーがサムコンパスのみ取り扱っている会社が多く、近年の市場的にもプレートコンパスの入手自体が難しくなりつつあるようです。
ほかにもフォレスト/スプリントで使い分ける選手も見られました。スプリントは地図とのマップコンタクトが多い一方で、直進の使用回数がめっぽう少ないため、森では直進を重視してプレートコンパスを使っている選手であってもスプリントではサムコンパスを使う、といった感じでしょうか。
少し思い出話にはなりますが、かつて東海中高にいたころはオリエンテーリングの基本を理解するうえで最初はプレートコンパスが良い、みたいなことを先輩に言われた記憶があります。正置・直進などの動作をプレートコンパスであれば動作も順序良く丁寧にやり易い…みたいな感じでしたかね。なので僕自身サムコンパスを使い始めたのは中3の秋ごろだったような記憶。
ちなみに理由はこんな感じ。面白そうなのを抽出してみました。参考にしてはいかがでしょうか。
・プレコンだと走る時に邪魔に感じてしまうためサムコンにしました。(MOSCOW COMPASS,;サムコンパス)・Gustav Bergmanも使っているから。(SILVA;プレートコンパス)・走りながら整置できるから。 プレートだと大きすぎて片手で持てないから。(MOSCOW COMPASS;サムコンパス)・整地重視のナビゲーションのため(MOSCOW COMPASS;サムコンパス)・サムコンより状況に応じた柔軟な使い方ができると感じるから(SILVA;プレートコンパス)・モスコンのレインボーがお気に入り。カラー帯のおかけで針の位置の認識がしやすいため。(MOSCOW COMPASS, サムコンパス)・針の安定性、クリアなカプセル (Str8;サムコンパス)・ ①針が大きくて見やすいから②針が安定するまでの時間が十分短いから(FRENSON;サムコンパス)
多かった理由としては「やはり先輩が使っていた」「1年の秋インカレで理由なく選んだ」みたいなのが多かったですね。コンパスが手に合わないってのは僕も良くわかりますね。手が小さいとどうしてもね…
②フォレストのシューズ
さてさて僕としてはこれが一番楽しみでした。やはりみんなが履いてる靴気になっちゃうんですよね。というわけでさっそく見ていきましょう。今回のグラフは見にくそうなので後にパーセンテージを載せています。
・Inov8:76(46.6%)・Salomon:22(13.5%)・SALMING:17(10.4%)・Nvii:16(9.8%)・VJ:8(4.9%)・Columbia montrail:4(2.5%)・HOKA ONE ONE:3(1.8%)・Icebug:2(1.2%)
かつてInov8しか見なかった頃より多様化してはいるもののやはり圧倒的ですね。実に半数近い76人の方が愛用しているようです。日本ではDESCENTEの取り扱い終了により少なくなっている状況ではありますが、Amazonやスポーツ用品量販店でも買うことができるといったお手軽さに加え、色んな人が履いていることによる信頼性も加味すると納得の結果ではないでしょうか。軽さを押し出したX-TALONシリーズに、アウトソールのグリップの深さを売り出しているMUDCLAWシリーズ、それらシリーズ間にまたがるように、グラフェンを用いた耐久性や強度がイチオシのG シリーズ。筆者の周りでも、通常のバージョンとは違いGシリーズはアウトソールの耐久性が非常に高く、先にアッパーが破れた、という話も耳にしました。
そして、2番手は予想通りといいますか、Salomonも熱烈な支持者がいるゆえの結果といった感じです。こちらはSPEEDCROSSシリーズを履いている選手がほとんどでしたね。Inov8では足元が非常に不安だという選手はSalomonを愛用している印象です。見た目通りの堅牢さ、かと思えばゴツさの割には軽いっていうのも良いポイントです。今は廃盤になってしまっているようですが、SPEEDSPIKEというピン付きのシリーズを履いている選手もいらっしゃるようです。見たことなくてとても興味あるので、履いている方はぜひとも見せに来ていただけると助かります、ハイ。そして、Salomon社のシューズの何よりの特徴といえば、Quicklace™システムと呼ばれる、結ぶのではなく引っ張るだけで靴ひもが締まる画期的なシステムでしょうか。これを気に入っている選手も多いようです。
さらに3番手として続くのはここ2,3年で日本オリエンテーリング界に広がったSALMINGでした。JOAのオフィシャルサポーターや筑波大学のスポンサーにつくなど1年で一気に浸透しましたね。というのも、もともとトレイルランニングシューズとして展開していたELEMENTSシリーズに加え、WOCチャンプDaniel Hubmannの協力のもと開発されたOT COMPなどが大きく売り出され実際に着用する選手も増加しました。筆者も一時期OT COMPを履いていましたが、幅広で日本人の足にも合う良いシューズだと感じました。また、アッパーは薄いながらも耐久性があるうえ、圧倒的な水抜け性能ゆえに湿地にハマったレースでもゴール時点では乾いているなんてこともありました。現在はSalming JapanさんがFRENSONなどオリエンテーリング用品とともに取り扱っており、大会会場の出店で何度も見かけていることかと思います。
また、ほとんど並んで4番手にはふと足元を見れば履いている選手がいるNviiがランクイン。こちらも世界選手権ミドルで8度の優勝を誇るかの”King of orienteering” Thierry Gueorgiouが開発にかかわったとのこと。軽いうえにラグも深くグリップ力も高いため、今や多くの選手の愛用シューズとなっています。筆者も虜になってしまった者の一人です。非常に良い靴である一方で、巷でよく話題となっているのが足形が日本人とは少し合わない、という点ですね。シリーズにもよりますが伸びる素材を使っているため履いていくうちに足にはあっていくものの、最初はかかとを靴擦れしてしまったという話をよく聞きます。まぁ誰かが、靴のかかとは削れたら戻らないが、人間のかかとは治るのでそのまま履き続ければ良い、みたいなことを言ってましたね、僕もそうだと思います。実際、僕も履いてるうちに気にならなくなったので…また、Nviiには同じシリーズの中に、ピン無し/ピン付きが展開されているのも特徴です。ピン付きNviiの大きな特徴として土踏まずの部分にもピンがある、ことでグリップ力を底上げしている要因にもなっているようです。取り扱いをされているのは、Nonameウェアなどでお世話になっている方も多いO-Supportさん。
その他にはVJやColumbia montrail、HOKA ONE ONE、Icebugが続きました。どれも非常に良いシューズですね。VJは日本ではあまり有名ではないですが、海外ではオリエンテーリングシューズNo.1のシェアを誇っています。WOCの動画を見ると履いている選手は非常に多いのが見て取れるかと思います。看板シリーズとして、ピン付きのBOLDシリーズにピン無しのIROCKシリーズ。最近では、トータスの尾崎さんが個人輸入し販売しているのを見かけますし、大会会場で見かけることも多くなりました。Columbia montrailやHOKA ONE ONEはトレイルランニングシューズの会社として有名ですが、オリエンテーリングで履いている選手も多いですね。Columbia montrailは細かいアウトソールのラグが、HOKA ONE ONEは非常に厚いミッド・アウトソールが特徴です。Icebugは過去記事でも触れられていたように、かつて日本でも取り扱いをされている方がいらっしゃったのですが、今ではなくなってしまい手に入れる手段が限られてしまっています。しかしながら、時代は進み海外のオリエンテーリング用品サイトを介していろんな商品を購入するオリエンティアが増えており、筆者も一度購入したことがありますね。サイトにつきましては後述。
面白そうな理由だったり、推しポイントは以下に連ねておきます。
・ベルクロで紐解け防止&足固定。ビブラムソールのメガグリップ(ALTRA;KING)・絶対に踏み抜かない足裏の安定感。それでいて軽量でスプリントにも使えるレベル。(SALMING;OT COMP)・推しているスポーツ店で売っていました。 結んだ靴ひもを収納できるポケットが付いているので紐がほどけにくいのが推しポイントです。(EVADICT;XT7)・海外メーカーの靴が入らないので、国内メーカーかつ普段のトレでも使っているアシックスのトレランシューズを愛用しています。(ASICS;GEL-FujiTrabuco 7)・アウトソールもしっかりしていて、グリップ力もあり、足幅にもあって、ピン付きで貴重なシューズ。(Inov8;ARCTICCLAW 300 THERMO)・Onが好きなので。(On;On Cloud Venture Waterproof)・足首に捻挫癖があるから(VJ;INTEGRATER HIGH)・30cmがあったから(Inov8;X-TALON G 235)・オフトレイルならグリップ重視で軽量サッカースパイク、トレイル重視なら道走りに強いトレランシューズ(adidas;X Ghosted.1 JAPAN HG、Inov8;X-TALON ULTRA 260)
③スプリントシューズ
長くなってしまいましたね、ここもまだ気になる。スプリントシューズです。書いててそろそろ疲れてきましたね。この時点で9600文字だそうです。うーむ、論文か?違います。結果見ていきましょう。
・ASICS:38(23.3%)・adidas:27(16.6%)・NIKE:27(16.6%)・New Balance:12(7.4%)・Salomon:11(6.7%)・Inov8:9(5.5%)・SALMING:7(4.3%)・HOKA ONE ONE:5(3.1%)
当たり前ですが、だいぶ分かれましたね。僕の予想以上に、フォレストでのシューズをそのままスプリントにも使っている選手も多かった印象です。理由に関しては様々ありますが、僕自身も2021年度スプリントセレではフォレストのシューズで走ったので、テレインによって変える人もいるのではないでしょうか。そして、ランニングシューズの会社としては一足飛び出たASICSと、まさかまさかの同数adidasとNIKE。後程、薄底厚底論争をする際は、ランニングシューズのみ集計することにしましょう。もっと詳しい人がいるので、あまり詳しく語ることはないでしょう。以下、理由見ていきましょうか。
・学生時代にマラソン用に買ってそれを流用(adidas;adizero)・スプリントはベアフット系が速い(ALTRA;SAMSON)・スピードが出せつつロードでの練習にも耐えれるクッション性を求めた結果(ASICS;TARTHERZEAL 5)・体重がバカ重いので、薄底だと足が速攻で終わってしまうため。(SALMING;Distance D3)・テレインを選ぶが、巡航は明らかに上がる。(NIKE;Air Zoom Vapor Fly 4%)・舗装路率がわからない場合トレランシューズを使いたく、入手性が高く足にあってるからです。(Inov8;X-TALON 212)・安くて万能でストライド伸びやすくて怪我しにくいから。(NIKE;Air Zoom Pegasus 37)・短距離での機動性と路面の変化に対応できる点から薄底推し。(ASICS;TARTHERZEAL 4)・誰も履いていないから(DESCENTE;GENTEN EL)・軽量カーボンプレート入りシューズだから(HOKA ONE ONE;ROCKET X)・薄くて地面を掴みやすい。厚底だと急な方向転換が不安(adidas;adizero bekoji)
さて、お待ちかねの薄底厚底論争です。やはり、厚底の利点としてはカーボン等によりスピードが出やすくクッション・反発が大きいこと。薄底の利点としては、切り返し時の足元の不安が少なく多くの場合、底が多種多様な路面に対応しやすいこと。といった感じでしょうか。結果として、薄底vs厚底(筆者集計)は以下のような結果となりました。
薄底:厚底=35:28
いや案外、拮抗しましたね。スピードが出るっていうのと世の中の流行的に厚底が流行っている故普段のランニングは厚底だが、スプリントでは薄底を使う選手も多いようです。ちなみに筆者も普段はASICS Metaracer(厚底)、スプリントではadidas adizero takumi sen 3(薄底)を使っています。
④こだわりの…?
これはあくまでおまけみたいなものですが…楽しそうなのがいっぱいあったので紹介します。
・大学のトリム<だいすき
・TRIMTEXのレガース<藪や倒木帯でも安心
・瞬間接着剤<コンパスを割っても接着剤を使えばほぼ元通りにできる。これでコンパス4個分くらい節約した。
・FRENSON プロシリーズ ディスクリプションホルダー<最高のデフケースです。 まず腕に巻く部分がゴムベルトをバックルで固定するタイプで、マジックテープ式と比べてレース中に緩んだりすることがない事。 そしてプロシリーズの方はスライド式のチャック(チャックポリみたいな感じ)ではなく折り込んでマジックテープでしっかり止めるタイプなので、中身の脱落や破損が起きにくい構造になってます。 全オリエンティアにおすすめです。
・オリエン終わりのコンビニおでん<たまご、こんにゃく、大根の3種 これこそ至高の領域に達するための神器
・ピアス<これをつけているときの成績がいい(全日本、インカレなどなど…)
・手袋<久々に手袋着けずに走ったら有刺植物で血だらけになったのでもう戻れない。
・VJ<学生時代にヨーロッパ遠征で購入したピン付きシューズ
・ルーペ<1:15000の地図が格段に見やすくなる!
・ネックウォーマー<インカレ運営
・サロモンのグローブ<インカレ優勝でもらった。自転車用より薄く、ランニング用より厚い
・テーピングはニチバンのバトルウィンしか勝たん
・haloのヘッドバンド好き。ロングだとタイツ履いて疲労サポートしてもらおうとか考える時もある。
・vaproのデフケース(チューブの)<Kasper FosserがEOCで同じものを使っていて少し嬉しかったので…
・アームカバー<夏の練習でも腕の傷を気にせず藪に突っ込んでいった
・赤いシュシュ<お守り
・名椙同期トリム<同期で揃えようと言わなくても同期で出る大会にはみんな揃う。奇抜なジャマイカトリム(名椙41期)とは異なりキレイな爽やかな色
・GT-2000(アシックスの厚底シューズ)<ジョグ用。全然怪我しない。やはり厚底は良いです。
・スポーツサングラス<会場に忘れてきたと後悔してフィニッシュしたら頭の上にかけていた
・5本指ソックス<同じものを何足か買っているのですが、うっかり左右を確認せず荷物にいれると、右足用×2枚とかになって裏返して使うことになります…
・Garmin 945<矢板のテレイン内で競技中に落としたが、執念で見つけた…(スマホとのBT接続でサーチして範囲を絞り込み)
・鉢巻<全日本リレー静岡代表がつけるオレンジの鉢巻。チームの一体感が生まれる
・オレンジの服<ポストかと思った(怒)と言われるのが快感
・ブラックサンダー<登り坂で食べる
・ロングでは必ず塩タブをもって走る
・シルバのコンパス。 針が重力に負けて動くので、正確に水平にもたないと直進不可能な代物だった。気がつくまで直進下手すぎで絶望していた。
・ONYONEのブレステックPPというインナーウェア<ウルトラマラソンやCC7の鉄人で使用しました。汗をかいても冷えにくく超長距離レースで素晴らしいパフォーマンスを誇るおすすめの製品です。
・フレンソンの靴下<普通の靴下と一緒に履いて二重にすればヒルも対策出来た
・ヘッドバンド:Sign、腕時計:Polar Vantage M・・足首サポーター(ZAMST)・JWOCのTシャツ・2017年北大大会T・バンダナ(頭に巻く)・勝負パンツ・ヘッドバンド・レースナンバーベルト
とても愛が感じられるアンケートで泣いちゃいそうです。徹夜で書いてるから涙腺が弱くなってるんでしょうか…?
5.ストア紹介
さてここまで色んなギアとか、オリエンティアがどんなギア使ってるのかを紹介してきましたが、どこで買うかを出さないと意味がない。特に、これを1年生に見るといいよ~ってするにあたって実のない記事にはしたくない。というわけで、紹介させていただきますね。
.com/pass
落合さんの運営されている、名前の通り主にコンパスを扱うストアです。扱っているメーカーはSILVA、Kanpasですね。近頃は品切れ状態が続いているものの、僕の中高時代からよくお世話になっていたり耳にしていたストアということで最初に紹介させていただきました。
O-support Web Shop
静岡OLCの小泉さんの運営されている、Nonameウェアのオーダーメイドを取り扱うO-Supportのウェブショップです。上下ウェアだけでなく、シューズやコンパス、ソックスなど幅広い商品を取り扱っておられます。主に扱っているメーカーはNoname、Nvii、Str8です。僕自身何度も利用しているのですが、非常に発送も素早く、焦って大会直前に頼んだことが何度かありますが、間に合って助かってます。
そしてなんとなんと、12/10から歳末セールと称しNviiシューズ2020モデル30%OFFキャンペーンを行っているそうです!!!!ぜひともNviiシューズ高くて手を出せなかったな…って方はお早めにどうぞ!!!
O-Ajari
阿闍梨の田島さんの運営されている、TRIMTEXウェアのオーダーメイドと共に既製品を取り扱っているショップです。こちらも上下ウェアだけでなく、コンパス、アクセサリーなど多くの商品を取り扱っておられます。主に扱われているメーカーは、TRIMTEX、MOSCOW COMPASSです。残念ながら今年度時点でのシューズの新規取り扱いは中止しているとのことですが、Inov8のピン付きなど珍しいシリーズをかつて扱っていた記憶があるので定期的にチェックするのもいいのではないでしょうか?
Kitahefu.com
Salming Japan代表の吉藤さんが運営に関わられている、海外スポーツブランドの販売を手掛けるストアです。オリエンテーリングのページができているので、気になった方は訪れてみると良いのではないでしょうか。主に扱われているメーカーは、SALMING、FRENSON、SIGNです。このサイトだけでオリエンテーリング用品がすべてそろうのではないかと思うほど充実した品ぞろえです。また、たびたび大会に吉藤さんが顔を出されていて、出店を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
ちなみに直近では12/19の上尾大会にも出店するとのことです。手で触れて確かめるのが最良なので、手に取るのもいいかもしれません。
ALL4o.com
海外のオリエンテーリング用品ショップです。日本では見ない製品もたくさん販売しています。メーカーは幅広く、ウェアではNoname、TRIMTEX、FRENSON、TRUESTORY、シューズはVJ、Icebug、Nvii、SCOTT、コンパスはFRENSON、Kanpas、Str8、SILVA、Moscow Compassと非常に品ぞろえは良いです。ただ見てもらったらわかる通り、日本語非対応でして…少し面倒ですが、確実に欲しいものを手に入れられると思います。これのおかげでIcebugとSILVAの供給が途絶えずに済んでいるといっても過言ではありません。
6.おわり
長くなりましたが、僕のAdventCalenderはこんなところでおしまいです。僕としては、一人でも多くの人に自分に合ったギアを使ってほしい。いつもよりちょっとでもわくわくした気分でオリエンテーリングをしてもほしい。今自分のギアに満足してない方は、新しいものを買う際の参考に、新入生が困ってるけど何を紹介すればいいかわからないって上級生の手助けに、なることができれば幸いです。また、僕個人に関してもこたえられる範囲であれば、いくらでも相談に乗らせていただきますのでお声掛けくださいませ。ほかにも、こんなギア買ったよ!とかあったら見せに来てくれると多分めっちゃ喜びます。
加えて、今回調査に協力してくださいました163名のオリエンティア及びそれを広めてくださった方に格別の感謝を述べて、締めとさせていただきます。
それでは皆様、良いクリスマスを! Have a Merry Christmas!